雪が好きだったら

私は雪に愛を書く、たとえ、雪に書いた詩が消えてしまっても、雪に来るたびに愛を思い出せるように

 

きっと、みんなは思い出すことを慈しみ、抱きしめることができるのだと思う。記憶を記憶のままだけ取り出すことのできる尊さが、みんなの発言が、自分の矮小さを際立たせるようで、桜餅の匂いのするウォッカが苦く感じた。

 

自分にとってそれは、裸足で歩くアスファルトの上のガラスの破片や上履きの中のホチキスの芯で、6限が終わって1時間くらい経って教室を出る時に紙で指を切る瞬間のようで、痛みや苦しさを予防するために行うことなんだろう、過去の精算だと笑っても、その実、弱さに目を背けているだけだ。

ハンターハンターの誓約と制約だからって反論した(5人中知ってる人は1人しかいなかった)。だってお慕い申し上げるということは、今の関係を続けないことを承知で飛び越えてしがらみを一緒に受け入れる片道切符だと思っていたから。

 

 

会話は続く。恋人にも出さない自分の一面はあるし、全部さらけ出すことが良いことではないと言う。わかってもらえないし、結局は他人だからと続ける。

それはその通りでわかってもらえないけれどシャボン玉をシャボン玉のまま柔らかく置いておいてほしいと思った。自分をさらけ出すことも、プライベートの境界線をはたと気づいて相手の言動が目につくことも結局はエゴでしかないから、どうやって折り合いを付けて、言葉でその境界線を濁していくか、なのかな

 

同棲に失敗した話を聞く。1人が2、3週間に一回会う程度でいいよね〜と呟き何人かが同調する。その人の真意を掘ることはアクシデントによりできなかったけど(悔しくもこれが宴会である)、あなたの好きとはなんですかと聞きたかった〜

 

改めて4人以上の集団でプライベートを過ごすには難しいなと思った。あなたの話をもっと聞きたいと思ってもなかなか回ってくるターンにドンピシャで繋げることもできないし、その聞きたいもあっちこっちにすぐ散らかってしまうから、2人で抜け出そっかと衒いもや含みもなく言える喫煙所はきっとこれからも無くならないのかなと感じた。

微妙な躊躇いをみんなに人見知りと言われるがそかを飛び越えて今の2人いい感じだから写真撮らせてって言って綺麗な笑顔を残す友達がとても眩しくて、雪は吹雪いて、でも太陽で眩しくなっていて、立ち上がってそのままコケて雪に埋もれ、みんなに笑われた

 

夜行バスは必ず目的地へ、ではあなたは?(長距離バスは寝れないし身体は痛いし妙に寂しくなって日記を書いてしまうのがかなりよかった)